アクティブシニアのための心臓病読本

まとめ 完全植え込み型で電池交換や細かな設定変更が可能な心臓用のデバ イスとして、ペースメーカー、植え込み型除細動器、心臓再同期療法 (両心室ペーシング)があります。近年、それぞれのデバイスの進歩 は著しく、より小型化、高性能化、多機能化しています。これらの心 臓用のデバイスは近年、高齢者にも植え込み術が行われることも増え ていますので、デバイスとの基本的な付き合い方を知っておくことは 重要です。学校や職場など社会生活の主要な場でこれらの心臓用デバ イスが一般に広く認知されているとは限りませんが、これらの心臓用 デバイスを取り巻く社会環境や法律は今後も緩やかに変わっていくこ とが予想されます。ヒトはだれでも終末期を迎えますが、電気ショッ クにより電気的除細動を行えるデバイスを使用されている方は、最終 的に除細動機能を残して欲しいか停止して欲しいか、ふだんから家族 や主治医と繰り返し話し合っておくことが大切です。 5 えて、デバイスへの信頼を保つことが大切です。デバイス患者さんは、 病院のデバイス外来には定期的に受診されていると思います。そこで デバイスのチェックを受けられて、作動の状況を主治医に必ず報告す るように心がけましょう トリビア ❶ 。またデバイスの患者さんが 終末期にさしかかった場合でも患者さんご本人や家族の方々との事前 の十分な話し合いに基づいて、緩和ケアチーム トリビア ❷ が適切に デバイスの除細動機能を停止させる方針を取る施設が増えつつありま す トリビア ❸ 。

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