アクティブシニアのための心臓病読本

第 5 章 高 齢

表2 デバイスにおける電磁波干渉

あらかじめ施行前に医療関係 者にデバイスの植え込みを受 けていることを伝えて下さい これらの場所や機器には絶対 に近づかないで下さい これらの電気機器を使用する 場合はデバイスの植え込み部 位を近づけないで下さい これらの携帯電話を使用する 時はデバイスの植え込み部位か ら15 cm以上離して通話して下 さい 急速充電はやめて下さい。普通 充電は密着させないでくださ い。 使用しても問題はありませんが 電源スイッチを頻繁に入れたり 切ったりしないで下さい 使用を避けてください

MRI、ジアテルミー、電気メス、 結石破砕装置、X線撮影装置、 放射線照射治療装置 誘導型溶鉱炉、発電施設、 レーダー基地、溶接工場

医療機関等でデバイスに影 響を及ぼす可能性のあるも の 強い電磁波環境である 可能性が高い場所

者の

IHを利用した電化製品 IH調理器、IH炊飯器

スマートホン、PHS、 コードレス電話

携帯電話

娯楽設備

電気風呂、全自動麻雀卓

EV

電気自動車

電気カーペット、電気毛布、 電子レンジ、電気こたつ、電気掃 除機、パソコン、無線LANなど

家庭用電化製品

の 表1 参照)を不適切に感知して、ショック作動をすることがあり ます(不適切作動)。患者さんは意識のある状態で突然電気ショック を受けることになりますから、大変な精神的ショックを受けて気分が 落ち込むことになります。心臓用デバイスはメンタルな問題とも切り 離せないわけです。デバイス植え込み患者さんを対象とした米国の調 査では気分の落ち込みや怒りの感情を持つ方では、不適切作動も多い という結果が出ています。怒りや落ち込みといった負の感情はストレ スホルモンを分泌させて、自律神経を不安定にさせます。そうすると 心筋の電気的な不安定性が、危険な不整脈を発生させやすくすると想 像されます。不適切作動は今も残念ながらゼロではありませんが、デ バイスのフィルター性能の向上や、きめ細かな設定変更により現在か なり少なくなりつつあります。デバイスで命を救われたと前向きに考

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