アクティブシニアのための心臓病読本

心臓病と リハビリテーション

第 4 章 高 齢

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者の

リハビリテーションというと、脳卒中や骨折の患者さんが自宅復帰 や社会復帰に向けて理学療法士の指導で運動を行う姿をイメージしま す。確かにリハビリテーションが治療の一環として有効であると認識 されていた病気や障害は、以前には限られていました。しかし現在で は、次第にリハビリテーションが医療機関だけでなく地域や行政、教 育現場にも浸透してきています。これにはリハビリテーション医学の 知見が蓄積されたり、産学連携でリハビリテーションの新たな機器が 開発されたり、健康運動指導士などのリハビリテーションに関連した 新たな職種の人材育成が進んだことがあげられます。 医療機関で行われるリハビリテーションの対象となる病気も今では 大きく広がっています 図11 。心臓リハビリテーションはほぼ全ての 心臓病がその対象となります。心臓病だけでなく閉塞性動脈硬化症と いわれる足の血行障害や、神経調節性失神といわれる自律神経の反射

図11 リハビリテーションの適応の拡大

内部障がい

脳血管障がい 脳外傷 脊椎損傷 小児疾患 四肢切断

骨関節疾患 関節リウマチ 神経筋疾患 心臓疾患 呼吸器疾患 摂食嚥下障がい

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