アクティブシニアのための心臓病読本

図12 心臓リハビリテーションの流れ

心臓リハビリテーション (入院リハビリ→外来リハビリ)

緊急入院 急性期治療

運動療法、食餌療法 禁煙指導、服薬指導 復職支援、心理相談

社会復帰 職場復帰 再発予防

心筋梗塞、狭心症 心不全悪化、心臓手術

異常が原因で失神をくりかえす病気にもリハビリテーションが有効で あることが分かっています。心臓リハビリテーションは単なる運動療 法ではありません。運動療法に加えて医師や看護師が冠動脈の危険因 子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙)を生活指導で是正し たり、栄養士が食事指導をしたり、薬剤師が服薬の指導を行います。 生活習慣の改善や適切な食事指導は腸内細菌叢(腸内フローラ)にも 好ましい影響をおよぼします トリビア ❺ 。心臓リハビリテーション には心臓や肺、筋肉のはたらきを高めて、心筋梗塞の再発を予防する 効果もあります。大切なのは多職種のスタッフが、多面的に介入して、 最終的には患者さんの社会復帰や職場復帰を目指すことです。 このように包括的な心臓リハビリテーションのプログラムに参加さ れた方々の間にはひとつのコミュニティが出来ます。そこでのコミュ ニケーションは抑うつ気分を解消してくれますので、フレイルや認知 症の予防にもつながります 図12 。特に大きな心臓病がなくても、運 動不足で少々血圧が高いというシニア世代の方も、仲間づくりのため に参加されてはと思います。また心筋梗塞を患うと気分が落ち込んで 抑うつ状態になったり、社会復帰に自信を無くすものです。しかし心 臓リハビリテーションで無事に社会復帰した周囲の人を目の当たりに

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