アクティブシニアのための心臓病読本

不整脈 第2章で述べましたように、心臓はポンプとして律動的に収縮する ために電気の力を借りています。病院で行う心電図検査は、文字通り、 この心臓の電気をからだの表面から記録する検査です。右心房にある 洞房結節から電気が発生し、これが刺激伝導系(第2章 図4 )という 電気ケーブルを伝わることによって心臓は律動的に収縮することがで きます。これを一分間60~100回、規則的に繰り返す場合が正常洞 調律です。不整脈とは幅広く言えば、心臓がこの正常洞調律にない場 合すべてを指します。したがって 表1 の不整脈の分類は詳細な医学 3

表1 不整脈の分類 不整脈の発生部位 不整脈の種類

特 徴

運動や緊張、貧血や発熱などでも みられる

洞頻脈

洞調律の異常

洞徐脈

アスリートでもみられる 高度な洞徐脈では ペースメーカー治療が必要

洞不全症候群

心房期外収縮

器質的な心臓病がなくてもみられる 持続するならば治療が必要な不整脈 高齢者に多く治療を要する不整脈 心臓手術後にも多く治療を要する 不整脈 器質的な心臓病がなくてもみられる

上室頻拍 心房細動

心房の不整脈

心房粗動

心室期外収縮

心室の不整脈

心室頻拍 心室細動

危険な不整脈

非常に危険な不整脈

完全房室ブロックでは ペースメーカー治療が必要

伝導障害 房室ブロック、 脚ブロックなど

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