アクティブシニアのための心臓病読本
れません トリビア ❸ 。高齢者の心不全は非典型的で重症になって診 断されることが多く、多臓器(慢性腎臓病、閉塞性肺疾患、貧血な ど)の機能が低下して治療に苦労することが多いですが、最近の心不 全のお薬は日進月歩です。病院からのお薬をきちんと内服して、毎日 の体重、血圧、脈拍などを心不全手帳に記録して 図8 、息切れやむ くみがひどくなったり、疲れやすくなれば、すぐにかかりつけの医療 機関に相談することが大切です。心不全の方は食事(減塩)・規則的 な軽い運動・十分な睡眠・ストレスをためないことなどきめ細かな日 常管理を怠らないようにしましょう。大きな災害では心筋梗塞が増え ることを述べましたが、心不全も同様です。抑うつ状態になると自律 神経やさまざまなホルモンを通して血圧や心拍数が上がりますので、 心臓への負担が増して心不全は悪くなります。日頃の災害対策は、心 臓病の方にとっては、とりわけ大切といえるでしょう。
第 4 章 高 齢
者の
心
臓
病
図8 心不全手帳
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