アクティブシニアのための心臓病読本
も投与できます。ただし口内の粘膜からお薬が吸収されるわけではあ りません。ですから効果がふつうの錠剤より早く現れるということは ありません。お薬のなかでもとりわけ心臓や血圧のお薬には高齢者の 嚥下機能を考慮した口腔内崩壊錠が最近増えてきています。オーラル フレイルは全身的なフレイルと並行して進んで行き、心臓病や脳血管 障害のリスクも増えていくとされています 図7 。またフレイル予防 のために運動をおこなうにもエネルギーとなる食事をきちんと摂る上 でオーラルフレイルの予防は欠かせません。オーラルフレイルはフレ イルとセットで予防することを心がけましょう 表3 。「最近むせやす くなった」、「食べこぼしが増えた」、「軟らかいものだけ食べるよう になった」、「滑舌が悪くなった」と感じる方には自宅でもできるプ ログラムがお勧めです 図6 。入院中に摂食嚥下リハビリテーション をおこなった方も退院後に自宅で簡単にできるオーラルフレイル予防 のプログラムを続けることが大切です。
第 3 章 高 齢
者の
身
体
機
能
図7 健康余命と咀嚼の関係
20
よく噛める 噛めない
健
康
余
命
10
年
かむ力が衰えると、心臓病・脳卒中リスクが5倍以上となる。 那須郁夫ら;全国高齢者における健康状態別余命の推計(咀嚼能力との関連) 日本公衆衛生雑誌 53(6),411-423,2006-06-15 65 0 70 75 80 85 (歳)
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