アクティブシニアのための心臓病読本
加齢により心拍数もSVも減少するので心拍出量も減少します 図5 、 図10 、 図11 。 運動をすると心拍数もSVも増加しますので、当然心拍出量も増 加します 図6 、 図12 、 図13 。最大運動時ではSVは健常成人では 120mℓに増加しますが、高齢者で100mℓ程度の増加です 図14 。つ まり、健常成人では予備能力が約40mℓあり、高齢者では少なくな ります。これは、先に述べましたように、高齢者では心筋収縮速度・ 弛緩速度が鈍くなり、心拍数が多くなるにつれ収縮力が低下してくる ことに起因しています。他の要因として高齢者では心室の拡張能が低 下しますのでFrank-Starling効果が弱くなります。 健常者の最大運動時の心拍出量は、
第 2 章 心 臓
のし
く
み
と
は
た
ら
き
健常成人(20歳として) (220-20)/分×120mℓ=24000mℓ/分
高齢者(70歳として) (220-70)/分×100〜107mℓ=15000〜16000mℓ/分
図14 最大1回心拍出量と年齢 図15 最大心拍出量と年齢
ℓ/ 分
最大1回排出量
健常者
25
最大運動時
㎖
回心 120
1
拍
出量
最大
心
拍出
量
運動習慣群
110
20
19
18 17
100
非運動習慣群
16
90
15
年齢
80 年齢
40
50
60
70
20
40
60
80
31
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