アクティブシニアのための心臓病読本
また、刺激伝導系の細胞は自動 能(筋自ら動く能力)があります ので、加齢により刺激伝導系の細 胞数が減少したり結合部の調節機 構が障害されますと刺激伝導が途 絶したり伝導速度が低下して、不 整で突発的な自発活動が誘発され て不整脈の原因になります。
第 2 章 心 臓
のし
く
み
と
は
た
ら
き
ギャップ結合
心筋細胞
4 心筋の収縮 心房筋や心室筋(作業筋)は収縮性の筋肉細胞から構成されていま す。心房内腔、心室内腔の血液を拍出することが役目です。従って、 収縮力が強いときには拍出量は多くなり、収縮力が弱くなると拍出量 は少なくなります。心不全などは収縮力が弱くなる心臓の病気です。 心筋の収縮にはカルシウム(Ca)イオンが必要です。刺激伝導系 から刺激を受けると心筋細胞は興奮し収縮を始めます。細胞興奮によ りCaイオンが細胞外から細胞膜のCaの通り道(Caイオンチャネル) を介して細胞内へ入り、そのCaイオンが細胞内Caイオン貯蔵庫(筋 小胞体)からCaイオンを大量放出させ細胞内Caイオンは急増します。 このCaイオンの作用で筋収縮蛋白質であるアクチンとミオシンの 干渉(橋形成)により心筋の収縮が起こります。Caイオンが収縮蛋 白質から離れ筋小胞体やミトコンドリアへ再度取り込まれたり細胞外 へ排出される時に弛緩が誘導されます。
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