アクティブシニアのための心臓病読本

とは、自分の病気の治療方針や治療計画を先生や病院にお任せする傾 向です。言われるまま多くの種類のお薬をもらっても実際はたくさん 余っていた、という話もよくあることです。どこかでお薬を整理して 飲み方を工夫することが必要です。診察室や調剤薬局だけでは難しい こともあります。そのような場合は包括的なリハビリテーションなど 多職種が同席する場で調整することも必要でしょう。どのような病気 でも治療方針や治療計画は患者さんや家族と病院とのあいだで十分に 話し合った上で、患者さん側の意見を意思決定になるべく反映させた いものです。お薬の飲み方に限らず共同意思決定(shared decision making:シェアード・デシジョン・メイキング)という考え方は大 切です 図3 。高齢者は病気により判断力が落ちたり、認知機能が悪 くなると自分で意思決定が難しくなります。そのような際は、病院で 専門のスタッフによるサポートを受けることもできます。現在、多く の病院には社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持った医療ソーシャ ルワーカーがいますから安心して相談してください。

あなたの病気の治療方法には、AとBの2つ の治療方法があります。 治療成績は同じですが、それぞれの治療方 法には、治療に伴う副作用や合併症といっ た弊害が生じる可能性があり、弊害が生じ る確率が2つの治療方法で違います。 具体的には… 図3 病院における共同意思決定

私の場合は、Aの治療法で生じる 可能性の高い○○はできるだけ避 けたいです… 仕事をしているので仕事に影響が ないということを一番大事にして 治療方法を選びたいと思います。

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患 者

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