アクティブシニアのための心臓病読本

はじめに 日本は65歳以上の高齢者人口が、約3600万人と総人口に占める割 合が30%近くとなり、過去最高記録を更新するという世界一の『超 高齢社会』です。 また、日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳といずれ も世界トップ水準です。しかも90歳以上の人口は231万人、100歳 以上の「百寿者」は、59年前の1963(昭和38)年には僅か153人 だったのが、今や9万人に届くほどの『超長寿社会』でもあります。 このように「人生100年時代」に突入した日本で、いま現代人はい かに健康長寿を全うするか、その課題を突きつけられています。しか も生活習慣病、ストレスを抱える私たちにとって、いま求められてい るのが正しい養生術ではないでしょうか? そこで改めて注目されて いるのが、約300年前の江戸中期に出版された貝原益軒の「養生訓」 と105歳まで生涯現役を貫かれた日野原重明先生です。 私は益軒が養生訓を書いた歳と同じ83歳になったのを機会に、本 格的に養生訓の研究を始めまして現在は90歳になりました。養生訓 の中には、今の高齢社会に通じる内容がいくつもあり、その考え方を 活かして現代医学の主流にすべきと考えています。しかも高齢になる と最後は心不全で亡くなる方が多いのです。そのためにライフスタイ ルの見直し・生活習慣の改善が重要です。 今回、九州大学名誉教授 丸山徹先生、福岡大学名誉教授 今永一成 先生にわかりやすい教科書を書いて頂きました。健康長寿を目指す 方々に一人でも多く読んで頂き、かつ実行して頂きたいと強く願って います。 2022年10月吉日 原土井病院 理事長 原 寛

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