アクティブシニアのための心臓病読本
第 9 章 コ ロ
心房細動 第4章の不整脈では心房細動について述べました。この心房細動と いう不整脈は、残念ながら加齢とともに増えます。またさまざまな 心臓病以外にも生活習慣に問題がある場合に発症することがありま す 図1 。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病では、体内 に軽度の炎症が持続的に起きています。生活習慣病の原因とされる内 臓脂肪が先ほどの炎症性サイトカインを常に放出しているからです。 生活習慣病による慢性的で軽度の炎症が、非弁膜症性の心房細動を引 き起こしているわけです。新型コロナウイルス感染症は全身に強い炎 症を引き起こす上に心臓に大きな負担をもたらしますから、心房細動 も発症しやすくなります。ある調査では新型コロナウイルス感染症の 入院患者の約2割に心房細動が見られ、とりわけ高齢者や肺炎が重症 な方に心房細動が多いという結果でした。また新型コロナウイルス感 染症にある状態では通常の心房細動の治療が行えずに、その後の容態 にも影響しかねません。改善すべき生活習慣がある方は、年齢を問わ ず新型コロナウイルス感染症のハイリスクの方といえますので、勧奨 に従ったワクチンの接種をお勧めいたします。 4
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自動血圧計の脈拍数 が常にエラー表示さ れれば、心房細動な ど不整脈の可能性が あります。
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