アクティブシニアのための心臓病読本
まとめ 最近の高齢者医療ではポリファーマシー(多剤の服薬)が問題に なっています。多剤を服用する程、高齢者ではお薬の有害事象も多く なります。ポリファーマシーには医療側にも患者さん側にもいろいろ な原因や背景が考えられます。心臓血管系のお薬は長期の服用が必要 となるお薬が多く、有害事象も患者さんが自覚しやすいものが多く、 特にポリファーマシーが問題となるお薬が多い領域といえます。多職 種が共同で行う心臓リハビリテーション後の服薬指導などで飲んでい るお薬を再検討する場を持ちたいものです。お薬の種類や錠数だけで なく適正な処方が行われているかどうかの話し合いが大切です。 3
お薬を使用した後に起きる全ての有害な出来事を薬物有害事象とよびます。その 際、お薬との因果関係の有無は問わないとされています。一方、副作用とは薬物有害 事象の中でお薬との因果関係が疑われるか、お薬との関連が否定できない出来事 とされています。このようなお薬に関するありがたくない出来事を厳密に区別せざる を得なくなったのは、お薬の治験が広がったことも関係しています。 トリビア❶ 薬物有害事象とは
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