福岡県農業機械商業協同組合 70周年記念誌(仮)
理事長ご挨拶 Greetings
福岡県農業機械商業協同組合 理事長 大橋 健太郎
当組合は2023年3月をもちまして、創立70周年を迎えるはこびとなりました。 この栄えある節目を迎えられましたことは、福岡県庁はじめ福岡県中小企業
団体中央会、全国農業機械商業協同組合連合会、農業機械公正取引協議会、福岡県職業能力開発協会な らびに、ステークホルダーの皆様方の御支援御協力あってのことであり、なにより当組合を支えております現 組合員の皆様方、そして歴代の先輩諸氏の並々ならぬご尽力・お力添えでありますこと、衷心より厚く御礼申 し上げます。また記念誌発刊にあたりご支援賜りました関係各位に於かれましてもかさねて御礼申し上げます。 当組合は1953年 戦後復興期の設立当時より、「昭和」「平成」「令和」と激動の長い歩みを、食の生 産という「命の産業を担う農家様」へ向け、組合活動であります農業機械や農業資材の販売およびサービス 事業を通じ、営農課題に対するソリューション活動に勤しむことを使命とし、積極進取の気概を持って70 年という時を駆け抜けて参りました。そうした活動の中、農家様へ より質の高いサービスの提供を目的に、 1991年 福岡県農業機械整備技能士会の発足と共に優良技能士の育成を行い、また農業機械整備施設認 定書の交付や、農家様が農業機械の取り扱いに際し、未然に事故を防止するための安全啓蒙活動も継続的 に行わせて頂いております。また近年では中古農機販売市場が拡大する中、中古機査定士の資格取得にも 積極的に取り組んでおります。そうした活動の中、設立の意義であります「組合員の相互扶助」の精神に基 づき活動を行うことで、組合員の業界知見向上と経済的発展へと繋がり、ひいては農業の近代化への一助と なっておりますこと大変誇りに思っております。農業とは人の命を支える、無くてはならない産業であります。 しかし少子高齢化に伴う後継者不足や離農は、年々加速をしており、2010年4万3085戸おりました福岡 県の農業経営体は、2020年2万8375戸と減少致しました。一方で土地の集約に伴います、担い手への 生産委託は年々増加をし、それに伴う生産体系が変わり、使用する機械の大型化が進み、ICT農機の普及 もあいまって、農産物生産量はここ10年横ばいであります。そうした担い手を支える我々の整備技術力は不 可欠であり、更に今後は機能の高度化にも対応していかねばなりません。また気象変動に伴う気温の上昇や、 激甚な災害が年々増えることで、作物の安定収量や安定品質を確保することが、より難しくなってきました。 8万1,400ha ある福岡県の耕地面積の中で、水田の割合が全国平均は54%である中、福岡県は80%と 高くあります。米農家は栽培技術力の更なる向上が必要となってきており、より逞しい農業が求められてきて おります。また国際競争も激化する中、国内では食料自給率の向上・カーボンニュートラルや SDGsへの対 応、そして生産性と環境負荷軽減の両立を目指し、農水省が掲げます「みどりの食料システム戦略」の実現 に向け、生産資材の価格高騰が進む中、生産コストと向き合い、いかに生産量の維持拡大を進めていくのか。 儲かる農業へのプロセスが求められてきております。 足早に移り行く時代の変化の中で、当組合もサステナブルでなくてはならない一方、同時にパーパス=存在 意義や理由を問われる時代にもなってきました。この業界はドラスティックに、劇的に変化するものはありま せん。しかし、農家が個人から法人へと、また企業が積極的に農業生産へ進出できるようになったとき、私 達も同じく個人からより組織的に活動をし、且つ包括的に心理的安全性が保たれた環境で働き、農家様に より良いサービスの提供が出来るようにならなければなりません。 当組合を通じ、福岡県農業が更なる発展と、農家様の逞しい農業・儲かる農業の陰に、組合員を通じた 当組合の活動が大きく貢献出来ますよう、組合員一同これからも知恵を出し合い、たゆまぬ研鑽に妥協なき ことをお約束申し上げ、100周年に向けて、思いが巌となりますようこれからも実直に取り組んで参ります。 今後とも、関係機関・団体はじめ、関係各位の皆様方には、より一層の御指導御鞭撻を賜りますようお願い 申し上げます。
3 70 th Anniversary
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