福岡県農業機械商業協同組合 70周年記念誌(仮)

これからの 日本の農業

組合創立70周年おめでとうございます。歴代役員並びに組 合員の方々のご努力に感謝申し上げます。 近年の農業を取り巻く環境は日本経済もそうですが、大き な変化の波にさらされています。まずはコロナ感染症による 消費の冷え込み、また、それによる資材のサプライチェーン への影響が挙げられます。特に中国からの肥料原料の価格高 騰による肥料や家畜の飼料価格高騰など多大な影響が出まし た。さらに追い打ちをかけるようなロシアのウクライナへの 侵略によって、原油や天然ガスの価格も高騰しています。こ れにより燃料価格やいろいろな農業機械や資材がまた値上が りしています。今はまだ高くなっても何とか買うことができ ています。しかし、日本に入ってこなくなったら日本の農業 は、いや日本の経済はどうなるでしょうか。 数年前に中国が尿素の輸出をストップしました。その時に 一番影響を受けたのは韓国でした。韓国はほとんどを輸入 頼っていて、90%以上を中国に頼っていました。それで輸送 に使うトラックの尿素がなくなって日本の業者にたくさん問 い合わせが来たそうです。最終的に軍の備蓄を放出したり、 オーストラリアから購入した尿素を軍の輸送機で運んだりと とても困っていたそうです。 尿素に関して日本は70%ぐらい自国で生産していたので特 別困窮することはなかったですが、もしこれが食料や燃料が 日本に入ってこなくなったらどうなるでしょうか。やはり食 料とエネルギーの自給はとても大事だと思います。日本の食 料を支えている農家のために我々技能士会ができることは、 農家のニーズに合わせて多種多様な対応ができるように日々 技術の精進に努めていかなければいけないことだと思ってい ます。 農機業界においても環境変化に適切に対応できるように組 織の充実強化を図り、組合事業を通じ一層の組合発展をご祈 念申し上げるとともに今後ともなお一層のご指導ご鞭撻のほ どよろしくお願い申し上げます。

福岡県農業機械整備技能士会 会長 田中誠時

12 70 th Anniversary

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